【弘法大師ゆかりのお寺~大阪~】補陀洛山 総持寺

弘法大師ゆかりのお寺

大阪府茨木市にある総持寺は藤原山蔭により仁和2年(886)に創建されました。総持寺には「亀の恩返し」の伝説があります。

藤原山蔭の御父、藤原高房は大宰府の長官に任ぜられ、家族とともに淀川を船で下向中、茨木穂積の岸で漁師達が大亀を殺そうとしているところを見かけました。その日は観音の縁日である18日、観音信仰の厚い高房は大亀の命を救う為、大亀を漁師から買い取り、河へ放しました。

翌朝、幼い山蔭が継母の策略により淀川へ落ちてしまいます。高房は嘆き悲しみ、「息子に会わせてほしい」と観音菩薩に祈ったところ、河中より以前助けた大亀が山蔭を背に乗せて浮かび上がってきました。高房は観音菩薩の霊験に深く感謝し、御恩に報いる為に観音像の造立を決意、それから志半ばで亡くなった高房の遺志を継いで山蔭が観音像を造立し祀ったといわれています。

補陀洛山 総持寺

JR総持寺駅から徒歩5分、総持寺に到着しました。亀の恩返し伝説の大亀がお出迎えしてくれます。

本堂

ご本尊は千手観音です。元亀2年(1571)織田信長の兵火により本堂が焼失した際、観音像は炭化しながらも焼け残ったことから「火伏せ観音」・「厄除け観音」として信仰を集めるようになりました。

本堂に入って左側に賓頭盧尊者びんずるそんじゃ像があります。賓頭盧尊者はお釈迦様のお弟子の一人で、古来より病気やケガなどをもつ人が自らの患部と同じところを撫でると治るといわれています。

大師堂(護摩堂)

弘法大師像を祀るお堂です。現在の大師堂は昭和47年(1972)に再建されました。平成30年(2018)6月の大阪北部地震により不動堂が被災し解体されたため、同年12月に大師堂に不動堂本尊・不動明王二童子像が合祀され、護摩堂となりました。

薬師金堂

心と身体の病を救ってくれる薬師如来の像を祀るお堂です。薬師如来像の両脇には日光菩薩像、月光菩薩像を安置しています。

鎮守社

大黒天、弁財天、青面金剛が祀られています。

近くで綺麗な桜が見られました。

普悲観音堂

ぼけ封じの普悲観音像と、その周りには、弘法大師、西国三十三所観音霊場・四国八十八箇所のそれぞれの札所の本尊の石像が祀られています。

荒神社

荒神社は台所、かまどの神として信仰されています。総持寺では仏教において仏、法、僧の三宝を守護する三宝荒神として祀られています。

経蔵

一切経典を納める蔵で、智慧を司る文殊菩薩を祀られています。全国でも例の少ない校倉造です。

閻魔堂

閻魔王を祀っている堂です。池では鯉が泳いでいます。

開山堂(庖丁式殿)

総持寺を創建した、藤原山蔭卿を祀られています。現在の開山堂は旧堂が平成7年(1995)の阪神淡路大震災により被災後、平成18年(2006)に再建されました。

総持寺本尊造立の時、山蔭卿は仏師に千日の間毎日異なる献立の料理を饗したことから「中納言の千日料理」としてして称えられています。また庖丁道の祖としても崇められており、調理師や料理関係者たちから信仰を集めています。毎年4月18日には庖丁式が行われており、多くの調理師たちが挑戦し、山蔭流免許の許し状が総持寺より授与されています。

高野山奥之院遥拝所

弘法大師がご入定されている高野山奥之院は、総持寺よりはるか南の方向、和歌山県北部にありとても遠いです。遠方まで行くことが厳しい方は、この遥拝所から高野山のお大師様にお参りすることができます。

遥拝所のお大師様は願いを一つだけ叶えてくださいます。

総持寺の御朱印

御朱印をいただきに納経所へ向かいました。

午前中の早い時間だったので並ばなくても良さそうです。

御守りの種類も豊富です。

総持寺の御朱印はこちらです。

総持寺境内カフェ Potala

総持寺の境内にはカフェ Potalaがあり、そこでお茶をすることに。お茶だけでなく食事もでき、うどん、カレーの他、月替わりの季節御膳も食べられます。

開店したばかりだったので、お客さんは1人のみでした。

季節御膳を食べたかったのですが、まだ午前10時過ぎだったので、シフォンケーキセットを注文しました。甘さ控えめで、しっとりしていて美味しかったです。

総持寺へのアクセス

JR京都線 JR総持寺駅下車 徒歩約5分
阪急京都線 総持寺駅下車 徒歩約5分

ちょっと寄り道

今城塚古墳

JR総持寺駅の次の摂津富田駅からバスで15分のところに「今城塚古墳」があると聞いたので行ってみることにしました。今城塚古墳は6世紀前半に築かれた、二重の濠をそなえる淀川流域最大の前方後円墳です。ハイキング日和だったので摂津富田駅からバスは利用せず、のんびり歩いて25分で現地に到着しました。古墳周りをグルっと散策しながら緑に囲まれた墳丘や内濠を眺めました。隣接する今城塚古代歴史館では古墳時代の歴史、古墳の築造過程などが学べ、また埴輪作り体験もできるそうです。

墳丘

前方後円墳の形を再現しながら西暦1596年の伏見地震で崩壊した墳丘の形状や現状の樹木を活かしています。

内濠

墳丘の周りは内濠(前方部側)、芝生広場(後円部側)で囲まれています。

埴輪祭祀場

発掘調査で確認された人物埴輪、動物埴輪、家形埴輪、器財埴輪などで、埴輪の祭りを再現しているそうです。

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